ラッコに関する文献の紹介 |
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ラッコに関する最近の文献のAbstractの和訳を公開します。内容の詳細については、各自原著をお取り寄せ下さい。大学・研究機関に属さず、原著論文を取り寄せる術のない方は、メールをいただければお見せする機会を設けます。 |
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アラスカのアムチトカ島のラッコにおける、個体数・食性の変化 |
Watt J, Siniff DB, Estes JA (2000) Inter-decadal patterns of population and dietary change in sea otters at Amchitka Island, Alaska, Oecologia 124(2): 289-298. |
毛皮のために乱獲された結果、アラスカのラッコは1900年代には絶滅に近い個体数まで減少したが、その後個体数を回復し1940年代には、ほぼ平衡に達している。その平衡状態は1980年代まで維持されたが、シャチの捕食圧が増したため1990年代になって再び激減した。 我々は、1992年の8月から1994年の4月にかけて、アムチトカ島でラッコの食性や摂食行動の観察を行い、以前の観察と結果と比較した。すると、ラッコが平衡状態に達していた1960,1970年代には主食であったケルプにいる魚類が、1990年代には殆ど食べられていなかった。その代わりに、初夏から冬の中盤の間はウニをはじめとする底生の無脊椎動物を、冬の終わりから春の間には遠洋性のダンゴウオの仲間を餌としていた。この食性の変化は、ダンゴウオの仲間とウニが得やすくなったことへの反応だと思われる。事実、沿岸でダンゴウオの仲間の産卵が観察されたのはここ十何年のことである。また、近年ウニが増加したためケルプが減少し、ケルプに棲む魚類は得にくくなっていた。 |
中枢種の限定された影響:アラスカのSemichi島におけるラッコとケルプの動向 |
Konar B (2000) Limited effects of a keystone species: trends of sea otters and kelp forests at the Semichi Islands, Alaska, MEPS 199: 271-280. |
ラッコは、ウニを捕食して植食者の数を減らし、ウニが優先した地域をケルプが優先した地域に変えることから、中枢種(keystone species)と言われる。1世紀にわたる局所的な絶滅を経て、1990年代にラッコはアラスカのアリューシャン列島のSemichi島に、再移住した。この島で、1994年には400個体にまで増加したが、1997年には再び100個体にまで激減した。はじめの再移住からほぼ7年を経ても、ウニのバイオマスもケルプの密度もそれほど変化していなかった。 |
石油流出によるラッコ減少の後のウニとケルプの変化 |
Dean TA, Bodkin JL, Jewett SC, Monson DH, Jung D (2000) Changes in sea urchins and kelp following a reduction in sea otter density as a result of the Exxon Valdez oil spill, MEPS 199: 281-291. |
1989年の石油流出によるラッコの減少の後に、アラスカのプリンスウィリアム湾でラッコとウニとケルプの相互作用を調査した。ひどい汚染を受けたナイト島の北部では、ラッコの個体数は最低でも半数に減少し、1995-1998年には1972年にくらべ66%も少なくいと見積もられた。ラッコの減少とウニの増加に相関はみられたが、ラッコが集中分布している地域ではラッコの減少に関わらずウニのバイオマス・密度はあまりかわらなかった。ケルプもラッコが減少した地域でもその密度は変わらなかった。それに対し、ラッコが90%も減少したアリューシャン列島では、ウニのバイオマスは著しく増加し、ケルプも極度に減少していた。ラッコの減少に対する減収の反応の違いは、捕食者の減少の程度とウニの捕食者の数に対する非線形の反応に起因すると思われる。生存したラッコの数は、プリンスウィリアム湾ではウニの増殖を抑制するには十分だが、アリューシャン列島ではそうでもなかったのかもしれない。もしくはラッコの流入の程度が異なるのかもしれない。アリューシャン列島では、ラッコの激減の以前に小さなウニがたくさん観察されたことにから、ウニの流入が大きいことを示唆している。 |
ラッコの齢・性に依存する死亡率と個体群の構成 |
Bodkin JL, Burdin AM, Ryazanov DA (2000) Age- ans sex-specific mortality and population structure in sea otters, Marine Mammal Science 16(1): 201-219. |
1990-1991年にベーリング島に打ち上げられた742頭の死体を用いて、死亡に対する齢・性の影響を調べた。また1989年のエクソン-バルジの座礁の後に回収された363頭の死体も用い、西プリンスウィリアム諸島の個体群の齢構成・性比を調べた。ベーリング島では、死亡個体はオス(81%)と成体(75%)に偏っていた。一方、西プリンスウィリアム諸島では、メス(59%)と亜生体(オスは79%, メスは45%)が多かった。ベーリング島では、1980年代に個体数の増加(特にオス)した結果、エサ資源が減少しオスの体重が低下していた。よって、今回観察されたオスの死亡は、密度依存の効果かもしれない。これは、オスが繁殖のためにテリトリーを作り、そこからメスの幼獣が排除されることによって、メスの密度が低く保たれたので、メスは密度依存の影響を受けなかったのかもしれない。この傾向が続くとベーリング島の個体群も、西プリンスウィリアム諸島のような齢・性構成に近づくのかもしれない。 |
ラッコ個体群の動態と遺伝的多様性 |
Bodkin JL, Ballachey BE, Cronin MA, Scribner KT (1999) Population demographics and genetic diversity in remnant and translocated population of sea otters, Conservation Biology 13(6): 1378-1385. |
個体群サイズの小ささが遺伝的多様性と個体群の回復に与える影響は、理論的に予測されているが検証した例は殆どない。我々は、移動しなかった4つの個体群(remnant population)と、移動した3つの個体群(translocated population)を用いて、個体群が経験した最少サイズとその期間・成長率・遺伝的多様性の関連を解析した。 ミトコンドリアDNAのハプロタイプの多様性は、体群の最少サイズを経験した年数(rs = -0.741, p = 0.038)と、最少サイズに相関があった(rs = 0.709, p = 0.054)。成長率は、残された個体群の方が有意に高かったが、ハプロタイプの多様性とは関連がなかった。ハプロタイプの多様性は、2つの分集団から成る個体群の方が、分集団のない個体群より高かった。移動して150個体から回復した個体のハプロタイプ頻度は予測と一致していたものの、4 or 28個体から回復した個体群では予測とは異なっていた。 |
カムチャッカとコマンドル島のラッコ個体群のミトコンドリアDNAの低い多様性 |
Tul`skaya OL, Derenko MV, Malyarchuk BA (1999) Low Level of Mitochondrial DNA Variation in Sea Otter Populations from Kamchatka and Komandor Islands, Genetika 35(1): 17-21. |
ミトコンドリアDNAのチトクロームbのb1,b2領域とコントロール領域をRFLPによって解析した。解析には、カムチャッカとコマンドル島のラッコ、59個体を用いた。多型は、コントロール領域をMboIで切断した場合に、二型が検出されただけだった。二型の頻度は、一方が64.7%、他方が35.3%だった。ミトコンドリアDNAであまり多型が検出されないのは、北米の報告例と一致している。 |
1992,1993年にベーリング島で死んだラッコにおけるアロザイム多様性 |
Zasypkin MY (1998) Allozyme Variation in Sea Otter Enhydra lutris L., 1758: Analysis of Samples from Animals That Perished on the Bering Island in Winter 1992/1993, Genetika 34(5): 662-670. |
アクリルアミドゲル電気泳動によって、62の遺伝子座(42種の酵素、5種の非酵素タンパク質をコード)を解析した。解析には、1992-1993年の冬にベーリング島で得た72個体のラッコを用いた。アロザイムの多様性指数(P0.95=0.339; P0.99=0.371; NA=1.40; Hob=0.075, Hexp=0.099)は、著者や他のアメリカの研究者によって報告されていたものより高かった。ラッコは長い間個体数の激減を経験してきたため、遺伝的多様性を失っていると推測されていたが、今回の結果はこの仮説を支持しなかった。 |
沖合い・沿岸におけるシャチによるラッコの捕食 |
Estes JA, Tinker MT, Williams TM, Doak DF (1998) Killer whale predation on sea otters linking oceanic and nearshore ecosystems Science 282(5388): 473-476. |
過度な猟がなくなり、近年ラッコの個体数は回復しつつあった。しかし西アラスカでは、再びその個体数が激減している。その原因はシャチの捕食圧が増加したためと考えられる。その結果、ウニの密度が増し、ケルプ床が乱れたことから、ラッコが生態系において果たしている役割の重要性が窺い知れる。これらの現象は、沖合いの生態系における人間活動の変化が遠因であると思われる。 |
ラッコにおけるアロザイム多様性 |
Zasypkin MY, Burdin AM (1997) Allozyme Variation in Sea Otter Enhydra lutris L., 1758: Description and Genetic Interpretation of Markers, Genetika 33(9): 1065-1071. |
アクリルアミドゲル電気泳動によって、血液・骨格筋・肝臓・腎臓から抽出した49種の酵素、8種の非酵素タンパク質をコードした遺伝子座を解析した。これらのタンパク質は80の遺伝子座によってコードされていると思われる。それぞれの組織ごとに、遺伝的多様性を算出した(P0.95=0.225; P0.99=0.275; NA=1.33; Hob=0.059)。 |
アラスカ州プリンス・ウイリアム入江における海鳥およびラッコ個体数の豊度T/Vエクソン社バルディーズ号油流出事故後の傾向 |
Agler BA, Kendall SJ (1997) Marine Bird and Sea Otter PopulationAbundance of Prince William Sound, Alaska: Trends Following the T/VEXXON VALDEZ Oil Spill, 1989-96. Restoration Project 96159. EXXONVALDEZ Oil Spill Restoration Project Final Report, : 242. |
1989-1991年に開発した方法で, 1996年3月から7月にかけて, アラスカ州プリンス・ウイリアム入江における海鳥およびラッコ(Enhydra lutris)の生息数を推定する小型船による調査を行った。1996年には, 83種の鳥類と13種のほ乳類類を記録した。1989-1996年の生息数の傾向を考察するに際し, 油汚染地帯の生息数は油流出がないとした場合には, 他の油非汚染地帯のそれと同様に変化すると仮定した。1989-1996年のプリンス・ウイリアム入江における海鳥生息数の傾向に関する年間変動の影響を低減させるために、油汚染地帯に生息する種あるいは種群の生息数推定値と油非汚染地帯における推定値との比を年毎に確定した。プリンス・ウイリアム入江の全体について、1989-1996年の生息数の傾向を回帰分析を用いて考察した。 |
カルフォルニアのラッコのアロザイム多型 |
Lidicker WZ Jr., McCollum FC (1997) Allozymic variation in California sea otters, Journal of Mammalogy 78(2): 417-425. |
カルファルニアに生息する74頭、アラスカに生息する9頭のラッコを用い、アロザイムの電気泳動多型を調査した。31の遺伝子座が検出できた。カルフォルニアのラッコ個体群が経験した厳しいボトルネックの影響を確認するため、アラスカの個体群とも比較した。31の酵素の内、6個の酵素に多型(2型)がみられ、ヘテロ型の頻度は4.9%だった。この遺伝的多様性は、海生動物よりむしろ、地上性の動物と似ていた。両個体群の比較では、アラスカの個体群の方が多様性が高かった。また3つの遺伝子座では。カルフォルニアの個体群にだけ多型が見られず、近親交配の存在を示唆していた。これらの結果は、ボトルネックによる遺伝的多様性の変異がそれほど大きくなかったというモデルの予測と合致している。 |
ラッコの亜種間・個体群間のミトコンドリアDNAの変異 |
Cronin MA, Bodkin J, Ballachey B, Estes J, Patton JC (1996) Mitochondrial-DNA variation among subspecies and populations of sea otters (Enhydra lutris), Journal of Mammalogy 77(2): 546-557. |
ラッコの亜種・個体群間における遺伝的な差違を、ミトコンドリアDNAのPCR産物のRFLPによって解析した。結果、亜種間や地理的に隔離された個体群間で、複数のハプロタイプがみられた。E. l. nereisは単系統のミトコンドリアDNAを持っていたが、E. l. lutrisはE. l. kenyoniにはそのような傾向はなかった。ハプロタイプの頻度は、現在の遺伝子流動の制限やそれぞれの個体群の歴史的背景を反映していた。これらの結果は、ラッコ個体群が経験したボトルネックが遺伝的多様性をそれほど大きく減少させなかったであろうという理論的予測と合致していた。 |
ケルプの群集における食物連鎖の長さ |
Steinberg PD, Estes JA, Winter FC (1995) Evolutionary Consequences of Food Chain Length in Kelp Forest Communities PNAS 92(18): 8145-8148. |
ケルプは、多肉の大型藻類を食べる大型無脊椎動物に強く影響される。北太平洋では、大型無脊椎動物を捕食するラッコのおかげで、大型藻類に対する捕食圧は減少する。一方、オーストララシア(オーストラシア・ニュージーランドと近海諸島)の温帯域では、ラッコと同様のニッチェをもつ捕食者がいない。このことから、以下のような3つの予測ができる。 (1)草食動物による捕食圧は、北太平洋よりオーストララシアの方が高い。 (2)その結果、海藻の化学的防御は、オーストララシアのほうがより強力に進化しているはず。 (3)更にそれに対抗すべく、草食者の化学的防御に対する抵抗性は、オーストララシアでより強い化学的防御を進化しているはず。 これらの仮説を検証すべく、両地域内の数ヵ所で、草食動物あたりの藻類の減少率を調査した。結果、ラッコが優先している北太平洋(0-2%日-1)、オーストララシア(5-7%日-1)、ラッコのいない北太平洋(80%日-1)の地域間に、藻類の減少率に有意な差があった。また予測どおり、オーストララシアのケルプとヒバマタのPhlorotannin(防御物質)の濃度は、北太平洋のものより平均5,6倍高かった。更に、オーストララシアの草食動物の摂食速度はPhlorotanninの有無にあまり影響されなかったのに対し、北太平洋の草食者はPhlorotanninによって摂食を抑制されていた。 |
ラッコの地理的変異 |
Wilson DE, Bogan MA, Brownell RL Jr., Burdin AM, Maminov MK (1991) Geographic variation in sea otters, Enhydra lutris, Journal of Mammalogy 72(1): 22-36. |
様々な地域のラッコの成獣304個体の頭蓋の特徴20コについて、単変量・多変量解析を行った。西太平洋の千島列島からコマンドル諸島にわたって生息しているチシマラッコ(E. l. lutris)は、大きく広い頭蓋と鼻骨が特徴的だった。また、カルファルニアからサンニコラス島沖に生息するカルフォルニアラッコ(E. l. nereis)は、頭蓋が狭い、rostrumが長く、歯が小さかった。また、他の亜種にはみられる眼窩後部のノッチが無いのも特徴的だった。最後に、著者の1人であるWilsonが発見したアラスカラッコは、アリューシャン列島と西太平洋からワシントンにかけて生息している。アラスカラッコは、顎が長い以外、他の殆どの部分が他の2亜種の中間のサイズであった。 |
ラッコの出生後の成長パターンの性差 |
Monnett C, Rotterman ML, Siniff DB (1991) Sex-related patterns of postnatal development of sea otters in Prince Willian Sound, Alaska, Enhydra lutris, Journal of Mammalogy 72(1): 37-41. |
1984-1987年にかけて、アラスカのプリンスウィリアム湾のラッコの幼獣について調べた。157頭の幼獣に標識して親に戻し、後に41頭を再捕獲した。オス・メスとも、春から夏にかけて出産され、そのピークは5月だった(♂=81頭, ♀=75頭)。親の養育期間は76-330日で、その平均値はオスで170日、メスで168日だった。また誕生から離乳までの間、オスの方がより早く体重が増加していた(♂=95g/日, ♀=83g/日)。 |
ラッコの遺伝的多様性:理論的考察と管理への示唆 |
Ralls K, Ballou J, Brownell RL (1983) Genetic diversity in sea otters: theoretical considerations and management implications, Biological Conservation 25(3): 209-232. |
ラッコのカルフォルニア個体群は、18-19世紀の毛皮目的の狩猟で激減した。個体群は一部回復したが、石油流出による個体群の減少などで、絶滅の危機はいまだにある。この危険性は緩和させるために、人為的な移住によって新たな個体群を創設することが提案されている。 個体群が少数に減少し再びその数を回復した場合、元々の遺伝的多様性を失うことが予想される。遺伝的多様性の喪失は、幼獣死亡率の増加や、出生率の低下などの有害な影響をまねく可能性が高い。したがって、カルフォルニア個体群が経験したボトルネックの影響や、新たな個体群を創設する際に移住させる際に、遺伝的多様性を大幅に減少させないですむのに十分な個体数を推定する価値は高い。 集団遺伝学をカルフォルニアラッコに適用した結果、現在の個体群は元来の個体群の遺伝的多様性の77%を維持している事が分かった。また新たな個体群を創設する場合には、繁殖個体を50頭移住させるだけで40年は現在の遺伝的多様性を維持できることも分かった。 |
未読の文献 |
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Sousa AA, Marzke MW (2000) Sea otter (Enhydra lutris) manipulation and forelimb morphology: Comparisons with other carnivorans and Homo sapiens, Annual Undergraduate Research Poster Symposium 7, Undergraduate Biology Enrichment Program, Arizona State University |
Tool use in the sea otter, Enhydra lutris, has been a subject of great interest. During feeding, the sea otter uses its forearms to pound hard shell against stone. The large external forces associated with this activity parallel those involved in early human tool use. Therefore, it is predicted that sea otter forelimb osteology and myology will demonstrate convergence with other tool-using animals, specifically, Homo sapiens. Three pairs of sea otter forelimbs were obtained from the Joseph M. Long Marine Laboratory in Santa Cruz, California. These forelimbs were dissected and their anatomy recorded. This divergent behavior is thought to have lead to unique morphological adaptations, yet there is very limited published information about the anatomy of the sea otter forelimb. To provide a broader perspective, timber wolf, ocelot, and coati forelimbs were also dissected at Arizona State University. As in the case of the sea otter, the hand morphology of other carnivorans was found to be poorly documented. A comparative analysis indicates distinctive features in the musculature of the fifth digit, and unique palmar padding. A more extensive comparative study of the forelimb functional morphology of the taxa is currently in progress. |
Monson DH, Doak DF, Ballachey BE, Johnson A, Bodkin JL (2000) Long-term impacts of the Exxon Valdez oil spill on sea otters, assessed through age-dependent mortality patterns, PNAS, 97(12): 6562-6567 |
We use age distributions of sea otters (Enhydra lutris) found dead on beaches of western Prince William Sound, Alaska, between 1976 and 1998 in conjunction with time-varying demographic models to test for lingering effects from the 1989 Exxon Valdez oil spill. Our results show that sea otters in this area had decreased survival rates in the years following the spill and that the effects of the spill on annual survival increased rather than dissipated for older animals. Otters born after the 1989 spill were affected less than those alive in March 1989, but do show continuing negative effects through 1998. Population-wide effects of the spill appear to have slowly dissipated through time, due largely to the loss of cohorts alive during the spill. Our results demonstrate that the difficult-to-detect long-term impacts of environmental disasters may still be highly significant and can be rigorously analyzed by using a combination of population data, modeling techniques, and statistical analyses. |
Bowen WD (1997) Role of marine mammals in aquatic ecosystems, MEPS 158: 267-274 |
Marine mammals are consumers of production at most trophic levels. Because of their large body size and abundance, they are thought to have a major influence on the structure and function of some aquatic communities. However, there is relatively little empirical evidence of these roles. There are several reasons for this: research in marine ecosystems is expensive, manipulative experiments are rarely possible, interactions occur at quite different spatial and temporal scales making measurement of system properties difficult, and there is an inherent indeterminacy in the behavior of these complex systems which makes simplifying deterministic explanations problematic. Nevertheless, experimental studies have demonstrated clearly that sea otters Enhydra lutris strongly affect kelp forest communities through predation on sea urchins, they also suggest that gray whale Eschrichtius robustus and walrus Odobenus rosmarus feeding can affect the structure of benthic invertebrate communities, and that dugongs Dugong dugon may cultivate the seagrass community upon which they feed. Changes in the abundance of many species following large-scale harvesting of whales in the Southern Ocean and perhaps also in the Bering Sea further suggest top-down effects of marine mammals. Nevertheless, the top-down effects of marine mammal predation in the open ocean remain poorly understood. |
アラスカのラッコとケルプ林:群集生態学パラダイムの一般性と変異 |
Estes JA, Duggins DO (1995) Sea otters and kelp forests in Alaska: generality and variation in a community ecological paradigm, Ecological Monographs 65(1): 75-100. |
しばらくお待ちください。 |
未入手の文献 |
Bacon CE, Jarman WM, Estes JA, Simon M, Norstrom RJ (1999) Comparison of organochlorine contaminants among sea otter (Enhydra lutris) populations in California and Alaska, Environmental Toxicology and Chemistry 18(3): 452-458. |
Nakata H, Kannan K., Jing L., Thomas N, Tanabe S, Giesy JP (1998) Accumulation pattern of organochlorine pesticides and polychlorinated biphenyls in southern sea otters (Enhydra lutris nereis) found stranded along coastal California, USA, Environmental Pollution 103(1): 45-53. |
Watson JC et al. (1997) Updated status of the sea otter, Enhydra lutris, in Canada, Can. Field-Nat. 111(2): 277-286. |
ラッコの歯の発生に関する新知見 |
Ryazanov DA (1996) New data on development of dentition in sea-otter Enhydra lutris (Carnivora, Mustelidae). Zoologicheskii zhurnal 75(12): 1907-1908. |
アラスカのラッコ個体群の繁殖戦略 |
Bodkin JL, Mulcahy DM, Lensink CJ (1993) Age-specific reproduction in female sea otters (Enhydra lutris) from Southcentral Alaska: Analysis of reproductive tracts. Canadian Journal of Zoology 71(9): 1811-1815. |
アラスカの底生生物に対するラッコの捕食圧 |
Kvitek RG, Oliver JS, DeGange AR, Anderson BS (1992) Changes in Alaskan soft-bottom prey communities along a gradient in sea otter predation. Ecology 73: 413-428. |
ラッコ個体群の成長と平衡状態 |
Estes JA (1990) Growth and equilibrium in sea otter populations. Journal of Animal Ecology 59: 385-401. |
ラッコの行動・生態・自然史 |
Riedman ML, Estes JA (1990) The sea otter (Enhydra lutris): behavior, ecology, and natural history. U.S. Department of the Interior, Fish and Wildlife Service, Washington, D.C. Biological Report 90(14) |
ケルプ群集の絶滅の生態学 |
Estes JA, Duggins DO, Rathbun GB (1989) The ecology of extinctions kelp forest communities. Conservation Biology 3: 252-264. |
ラッコの群集生態学 |
Van Blaricon GA, Estes JA (1988) The community ecology of sea otters, Springer Verlag, New York. |
再移入した種の拡散:カルフォルニアのラッコの生息域 |
Lubina JA, Levin SA (1988) The spread of reinvading species: range expansion in the California sea otter. The American Naturalist 131: 526-543. |
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廣田 忠雄 @ 山形大学 理学部 生物学科 生物多様性大講座 | ![]() |
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