日本動物行動学会, 第16回大会 (1997), 京都大学
東京農工大・獣医学科・動物行動学
概要:モンシロチョウ(Pieris rapae crucivora)のメスは、羽化後30分で交尾を受け入れる。オスは交尾可能なメスを発見するため、キャベツなどの食草の上を熱心に探索する(メス探し行動)。個体識別をしたオスを、10 x 20 m の野外ケージで観察した結果、メス探し時間は成虫の日齢とともに増加することが分かった。この現象の要因には、様々な至近的・究極的要因が考えられる。今回は究極的要因について、シミュレーションを行った。結果、メス探し時間と死亡率関係、メスの精子選択の様式によって、メス探しの生涯スケジュールに影響することが分かった。
キーワード:昆虫, 鱗翅目, 蝶, シロチョウ科, 交尾行動, 繁殖行動, 進化, 生態