日本動物行動学会, 第14回大会 (1995), 兵庫県立人と自然の博物館

モンシロチョウにおけるオスのメス探し行動

廣田 忠雄・佐藤 俊幸・小原 嘉明

東京農工大・獣医学科・動物行動学

概要:モンシロチョウ(Pieris rapae crucivora)のメスは、羽化後30分程度で交尾可能になる。オスはこの羽化したてのメスを求めて、食草の上を飛び回る(メス探し行動)。オスは吸密などが必要なため、メス探し行動は1日の内一定の時間に限られる。我々はオスがいつ、どれくらいの時間メスを探すのか、マークした個体を用いて野外観察を行った。その結果、オスは夏期には早朝6時頃から午後の早い時刻まで、メスを探していた。また、メス探しの開始時刻とメス探し時間は気温と照度によって変化した。さらにメス探し時間は、オスによってかなり変異がみられた。この変異に対する羽化時刻の影響についても報告する。

キーワード:昆虫, 鱗翅目, 蝶, シロチョウ科, 交尾行動, 繁殖行動, 進化, 生態

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