日本動物行動学会, 第19回大会 (2000), 滋賀県立大学

アミメアリコロニー間の敵対性強度と遺伝的関係

真田幸代1・横山実香1・廣田忠雄1・長谷川英祐2・辻和希3・佐藤俊幸1・小原嘉明1

1東京農工大・獣医学科・動物行動学, 2北大院・生物生態体系, 3富山大・理・生物

概要:アミメアリ(Pristomyrmex pungens)では、巣場所が近いほどコロニー間の敵対性が強いことが示されている。本種では非常に大きくなったコロニーが巣別れし、別々のコロニーになることがあるため、コロニー間の遺伝的類似性が巣間距離や敵対性強度に影響を与えているかもしれない。これまでの研究では、CAP-PCRプライマーを用いて個体群内から2つのハプロタイプを検出し、解析した結果、コロニー間の遺伝的類似性と敵対性強度に有意な関係はみられなかった。しかし、2つのハプロタイプではコロニー間の遺伝的類似性を評価するには不十分である。そこで、本研究では多型検出能力の高いマイクロサテライトマーカーを用いてコロニー間の遺伝的類似性を詳細に調査し、巣間距離や敵対性強度との関係について検討した。

キーワード:昆虫, 膜翅目, 蟻, フタフシアリ亜科, 進化, 生態

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