日本動物行動学会, 第45回大会 (2001), 島根大学

鱗翅目で語る進化:様々なレベルでの生態学的アプローチ

世話人 廣田 忠雄1・中 秀司2

1国際基督教大学・理学科, 2岐阜大・生物制御

主旨:鱗翅目は、害虫として、身近な野生動物として、また保護の対象として、様々な研究が行われてきました。その中には、生物の進化の理解に大きく貢献したものも少なくありません。ですが、近年は多方面で研究が行われているものの、各学会において必ずしも目立った存在ではありませんでした。しかし、複数の学会に足をのばしてみると、個々の研究者は活発に研究を行っていることが分かります。無論、研究テーマは分類群に限定されるものではなく、各研究分野においては特定の分類群の元に集結する必要は無いかもしれません。ですが、生物の進化について論じる際には、生理・生態・発生・系統という分野を越えた理解が必須になります。この際に、1つの分類群の元に多方面の研究者が集結し、情報を交換し、広い視点からの議論を行うことには大きな意義があります。本集会は、鱗翅目を研究する様々な分野の研究者の方の情報交換の場にしたいと考えています。第1回となる今回は、生態学を中心に様々なレベルで行われている研究を紹介したいと思います。

  1. アズキノメイガにおける性フェロモン生産とフェロモン反応性の遺伝学
    高梨琢磨・高橋亮*・星崎杉彦・田付貞洋・石川幸男(東大院・応用昆虫、集団生物*)
  2. モンシロチョウの交尾行動:最適戦略と個体変異
    廣田忠雄 (ICU・理)・小原嘉明 (農工大・動物行動)
  3. 種間相互作用の中での産卵選好性
    塩尻かおり・高林純示(京大・生態情報)
  4. 鱗翅目の分子系統学的アプローチについて
    野村昌史(千葉大・応動昆)

[BACK]